キャタピラーの作品情報・感想・評価

「キャタピラー」に投稿された感想・評価

ザン

ザンの感想・評価

4.0
四肢を失い帰国した男を軍神だと崇め奉る当時の価値観の無責任さ。一人では何もできなくとも、性欲と食欲ばかり旺盛な軍神。戦争の愚かさと儚さ。「戦争が終わった」とゲージツ家とともに万歳をする寺島に救われた。
戦地で四肢欠損&言語障害となった夫が帰郷。その時妻は…。

身体自由も意思疎通もままならない夫だけど、食欲と性欲だけは旺盛。
妻は懸命にその要求に応えていくのですが…。

次第に精神が耐えられなくなり、ついにキレた妻は夫をビシャき倒し、窒息させる勢いで飯を押し込みます。
出征前はDVだった夫と、立場が逆転するワケです。

そして迎える終戦。
戦地での英雄“軍神様”と称えられてきた夫とその妻は、その時…。


テーマは反戦というより、介護。
重いけど、滑稽に描くことにより
不謹慎やタブーを避けずに直視して
身近なものとして捉えてもらうのが
若松監督の狙いのひとつではないでしょうか。

だから、笑えると思ったら笑って良いと思います。☆
気になっていた映画。無料配信だったので見てみました。負傷兵として帰還し、意思伝達ができない夫と、自分の意思で自由にできる妻との関係がだんだん変化していく様子が表現されてました。寺島しのぶさんの表情の変化が良かったです。
・劇中のほとんどを占める寺島しのぶと大西信満の「赤目四十八瀧心中未遂」コンビによる二人芝居を楽しむ作品
・ためらいがない寺島しのぶのヌードは若松作品にずっと前から出てたかのようにしっくり来てた
・体が不自由になっただけで頭はやられてないんでしょ?何ではじめの方知的障害者みたいにしたんだろ
・これは明確に描かれてないから勝手な推測だけど、名誉の負傷として″軍神様″と崇められてた男は実は戦地の女を犯しまくる鬼畜で、それを捕らえた敵兵が見せしめの為に四肢を切り落として″イモ虫″にして日本に還したってことなの?
・同じ暴行シーンを何回もコスってトラウマを表す演出が古いしくどい
・旦那が苦労する戦争時のトラウマと妻が旦那に受けた凌辱の仕打ちで思惑のすれ違いが何だかちぐはぐで、結局見終わった印象は戦争映画というよりは介護映画だった
反戦なのは当たり前なのでその辺は置いといて、見たいのは人間のドラマ。その点についてはほぼ2人だけの芝居で役者の力量も役作りも素晴らしく話に引き込まれていく。その反面展開としては2人の感情に伴うバランスで進んで行くので外では戦況が思わしくなかったりしても5体不満足ではもはや無風状態こちとらとっくに終戦じゃい。チンコの勃ちの悪さでむちゃくちゃ詰られるのは逆効果なのでやめましょう。
や

やの感想・評価

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周囲から隔絶された二人だけの密室。四肢と聴覚を失い忌まわしい記憶を頭の中で反芻するだけの身体と言う名の密室。壊れたレコードの様な肉体に閉じ込められた魂は孤独の果てに自らの身を投げはじめて解放され、芋虫は今蝶になる
Yuri

Yuriの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

観たいけどエログロが凄いのかなって先入観で怖くて観れなかった作品をやっと鑑賞。寺島さんの大西さんの演技が凄まじいので、物語に集中してて意外と大丈夫でした。シゲ子の夫との上下関係が入れ替わっていく表情の変化が何とも言えず、これは寺島さんの真骨頂だと思いました。戦地に送り出され、傷つき四肢を失い、PTSDになったのは、間違いなく久蔵のせいではなく国が戦争を起こしたせいだけど、戦地に行く前からシゲ子に手を上げていたことや戦地で女性に乱暴を働き殺しまくっていたことは、間違いなく、しなければならなかったことではないです。私は、人間の善も悪も信じるし、戦下で人が変わってしまうのもわかるけれど、自分で考え流されないのが人間の理性だし、きっと久蔵は元々の粗雑な性格ゆえに「戦争だから。」と言い訳し流されてしまったのだろうと感じました。その罪と罰は負うべきかと。ひたすら夫婦が狂っていく話かと思っていたのですが、シゲ子と久蔵が心を通わすシーンもちゃんとあって、この夫婦は出征前はどんな風に愛し合っていたのかな?シゲ子は暴力を振るわれていたけれど、久蔵を愛していたのかな?とこの夫婦のことを知りたくなりました。この時代の女性が男性に従順だったのは知っていますが、それでもシゲ子が久蔵を世話する姿がとても丁寧で、逃げ出さないのは、愛なのか?諦めなのか?世間体なのか?どれも正解な気がしますが、もう少し深く覗きたかったです。あとは、反戦映画なのはわかりますが、夫婦の生活と戦争のテロップの出し方のバランスが悪いです。あとは、久蔵の兄弟・親類が他人事過ぎて酷過ぎて呆然。
sawak

sawakの感想・評価

3.0
若松孝二作品らしい低予算感が否めない絵づくりのため、そこで集中力を少し削がれてしまう。
時代考証もへったくれもなくて、アイデアとテーマの一点突破って感じは嫌いじゃないけど疲れる。
暗い、あまりに暗すぎる

戦争で四肢を無くした夫を妻が介護するお話

夫は四肢がないのに食欲と性欲がめっちゃ強い

こんな奴どっかで聞いたことあるな

寺島しのぶが脱いでるけどまっったく色気がない。演技で色気消したりできるもんなんですかね

所々に戦時中の実際の映像も差し込まれるのが物語の悲惨さに拍車をかける

見終わった後すぐにテキーラ飲んでEDMを爆音でかけることをお奨めします

このレビューはネタバレを含みます

本当は「軍神様」などという立派な人間ではなく、戦地で残忍なことをしてきた夫が良心の呵責に苦しむ姿。

自分にひどい仕打ちをしてきた夫があんな体になって帰ってきたことで次第に立場が逆転していく、夫婦の歪んだ愛憎。

そういうのをもっと掘り下げて欲しかった。
全部が中途半端。
題材自体は面白いのにもったいない感じ。

コミュニケーションがまったく取れないのも不思議。
頭もやられてるから??
でも、尿意を我慢できたりリヤカーに乗せられてる時には大人しくしてたり、理性はありますよね。
しかも鉛筆くわえてノートに文字も書けるし。
だったらもっとコミュニケーション取れるでしょ。

エンディングでいきなり反戦のメッセージばんばんなのも違和感。
え?そういう映画だった?
元ちとせの歌も、歌自体は素晴らしいけど急にとってつけたように原爆のことを訴えだすのも浅はかなような。


ふたりの演技は凄かった。
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