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キャタピラーの11のネタバレレビュー・内容・結末

キャタピラー(2010年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

とりあえずこの映画の監督がどうのこうのだとかは本当にどうでもよかったし、あくまでもひとつの映画として鑑賞しただけ。江戸川乱歩の「芋虫」という作品がモデル(都合があって、あくまでも「原作」ではなく「モデル」ということらしい)まるで歴史番組のような冒頭やラスト。寺島しのぶの演技はすごい。四肢を失い戦場から帰り、軍人様だと崇められる夫は、戦場で女を強姦してきたり(それ故に後半では一層病んでしまう)したわけだけど、そんなことを当然しらない妻は、しらないのもあって、夫に献身し続けるし、だんだんと夫に苛立ちを覚え始める。軍人様だと言って崇める周囲の人間は、こわかった。ラストで夫は自宅の近くにある池まで這ってそこに身を落とし死ぬが、そこでなぜか観ている側の心が晴れてしまう。夫が自殺したのと同じタイミングで戦争は終わり、ある意味妻はすべてのことから解放されたのではないか。
エンディングの曲は映画とはまったく関係ないのだけれど、いつまでも耳に残ってしまうような曲だった。観ていて、とても疲れる映画でした。じつはこの映画に中身はないのかも。
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