似太郎

ニッポン無責任時代の似太郎のレビュー・感想・評価

ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)
5.0
同じクレイジーキャッツのハナ肇主演作『馬鹿まるだし』(監督山田洋次)では松竹らしく庶民の側から不合理な世界を描いていたが、本作は高度成長期を舞台にしたサラリーマンの出世ミュージカル喜劇。

主演の植木等が『おそ松くん』に出てくるシェーのイヤミの如き荒唐無稽さとハイテンションさがあり、笑かしてくれる。古澤憲吾監督らしくバイタリティーに満ちたカラッと明るい喜劇。カラフルな画面構成からしてまるで黄金期のハリウッド映画のようである。

日本人的なガメツさと上昇志向が全編に渡って噴出しており、映画自体の雰囲気も非常にバタ臭い。東宝らしい洋モノ志向が良く出ている。こんな頭カラっぽで楽しめる邦画は今、なかなか無いよ〜❣️

其処彼処に日本人精神風刺もちょっぴりある。

最初から最後まで♫ブワ〜〜ッといくぜ!!👍俺について来い!!👊💥ハイ、それまでヨ〜〜。🤷‍♂️の応酬が続く。

日本映画には辛口の大島渚が絶賛したと言われる本作。社会風刺+爆笑エンタメ要素がふんだんに盛り込まれた決定版。

深刻ぶらず明るく陽気に参りまショ〜❗️みたいな、フラットな気持ちで観れる快作。金の力で何とかなる資本主義社会を小馬鹿にしたメッセージ性も色褪せていない、バランスの良さが決め手。
似太郎

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