ヒロ

ベルタのモチーフのヒロのレビュー・感想・評価

ベルタのモチーフ(1983年製作の映画)
4.5
【夢見る少女は虚に埋もれる】
どこまでも永遠に広がる麦畑。大自然と生き物たちに囲まれた静かな田舎町でベルタは生きている。都会を夢見る少女は、壊れたテレビや使えなくなった電化製品に囲まれ、伸びきったテープを垂れ流しながら水中メガネ越しに虚を覗く。そんな閉鎖的な空間に、都会に疲れ精神を病んだ男が迷い込む。夢見る少女は夢の世界からやってきた男に惹かれる。牛乳を届け、ともに散歩し、彼との会話に未知の世界を垣間見る。でも、幸せな時間はそう長く続かない。田舎町での夢物語は突然の終わりを告げ、静かな暮らしに再び追われる。それに抗った少女のある行動が、計らずもノンフィクションの中にフィクションを呼び込む。男の嘘は真実となり、少女は再び夢を見る。

いやぁ〜〜〜素晴らしすぎる(O_O)
フォロワーさんのレビューで知ったこの映画祭。
なんとこれが処女作?!?ヤバめ!
単位を犠牲にして来た甲斐があった笑!
ブレッソンの『少女ムシェット』やエリセの『ミツバチのささやき』などを彷彿とさせる、メタ表現を駆使した静観で詩的な美と死の世界。やや間延びする場面も見受けられたが、それは“若さ”ということで片付けておいて。アイディアに富んだ表現の数々に圧倒された2時間。DVD即買いです!

単位より大事なものがそこにはあった( ͡° ͜ʖ ͡°)
↑ただの現実逃避。

《ミューズとゲリン ホセ・ルイス・ゲリン監督特集上映》

2017-17
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