調伏系V魔虚羅

アリス・スウィート・アリスの調伏系V魔虚羅のレビュー・感想・評価

3.9
教会で幼い少女が何者かの手によって惨殺された。容姿端麗で性格も美人、周りから持て囃されている少女を妬んでいた姉のアリスは真っ先に疑われるのだが、正体不明の殺人鬼による犠牲者は次第に増えていき…。

それは幼き純粋無垢な天使か、それとも人間の皮を被った悪魔なのか。
スラッシャー映画という部類に一応入るのだが、どちらかというと、アリスの周りの人間関係や常にギスギスとした雰囲気漂う、家族間の人間ドラマが多めのサスペンスである。正直、スラッシャー映画と大々的にジャケに書かれていたので面食らったのだが、これがまたなかなかに空気重過ぎて面白い。
そして本作で最も印象的なのが、監督のセンスが爆発している独特なカメラワーク。ただアリスを映すだけのショットだったり、抱き合う母娘のショットだったりが一々絵画のような美しさを孕んでおり、どのシーンも記憶に残る。
古き良き70年代スラッシャー映画の隠れた傑作に相応しい一作でした。
調伏系V魔虚羅

調伏系V魔虚羅