このレビューはネタバレを含みます
「女にだらしない男だが、やっぱり妻を一番に想っていて、妻も許しているからという理由で地獄行きを免れる話」で良いのかな?
正直、昨今のあからさまな表現に慣れた私からすると全くこの映画を読み取れていないと思う。
昔の映画って表現が控えめだし、現代と感覚が違うから、どういった意味のシーンかよくわからない。
私の鈍い感性で想像するに、ヘンリーは社交界で噂になるくらいだし、カサノバを自称するくらいだから、さぞ地獄行きに相応なくらいには遊んでいたのだろう
しかし、本作の結末はそこに落ち着かない
考えてみるとヘンリーがダメ男なのはもちろんだが、他の人も大概だよな
家から出たいからとりあえず婚約したけど、軽口を叩くヘンリーに惹かれて、迫られたから結婚しちゃったマーサとか、婚約者を奪われても顧客への挨拶を優先する従兄弟の弁護士とか、親世代もそれぞれ問題がありそうだし、、
そして、ヘンリーとマーサの間に絆があれば、他の道徳は超越して天国行きという結末
そういった意味では、既存のお上品な価値観を否定するという元祖アメリカン・ニューシネマなのかもしれない
他の映画のネタバレになるから詳しくは言わないが、あの貞操観念がゼロの主人公が教会で花嫁を奪う有名な映画を思わせるような