実在したアメリカ・ミルウォーキーで17人を手にかけた食人鬼。
彼の生い立ちについてはテレビで特集されているのを見たことがあり、映画だと更に掘り下げられると期待したんですが、彼の生涯ではなく殺人を犯すようになってからの彼を淡々と描いているだけの映画でした。
その割には殺人シーンに恐怖を煽る演出はないのでホラーではなく、心情描写もあまりないのでヒューマンでもなく…。
誰に向かって作ったのでしょうか。
彼は幼少期に両親から放ったらかしにされ、癇癪を起こす薬物依存の母と2人きりで家で過ごし、小学校で同級生から性的虐待を受けた過去があります。
8歳になる頃には既にネクロフィリアの兆候があったみたいですが、食人鬼としての彼が誕生したのには生まれ育った環境に問題があったと思います。
生い立ちを知っていると彼が1人きりの時に見せる憂いを帯びた表情、死体の横に寝そべり愛情を求めるかのような行動に同情してしまいますが、映画ではただの頭のおかしい青年が人を殺しまくってるのしか伝わりません。
せめて過去は入れてほしかったです。
本人の写真と、主演のジェレミー・レナーの顔がなかなかの再現度でびっくりしました。