ル・アーヴルの靴みがきのichimiのレビュー・感想・評価

登場人物一人一人が嘘みたいに善良な施しや協力を惜しまないのに、わざとらしい笑みを湛えることをしない。それ自体でしかない、要するに他意のない人々の優しさが余計に暖かく感じられるのは、寒々とした空気の漂う舞台の街のおかげか。
理想だが、決して実現不可能ではないような世界が説教臭くならずに提示されているような気になった。