Myon

ル・アーヴルの靴みがきのMyonのレビュー・感想・評価

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
3.4
画面の原色の配合が絶妙、延々眺めていたい。

靴磨きの靴が汚いのはいいのかと思ったら奥さんが磨くんですね。必ず花を片手に見舞う旦那と、綺麗に化粧をしてそれを迎える奥さん。この素敵な夫婦以外にもサイドストーリーっぽい人間関係がいくつかあるんだけど、さり気ない会話とかにいちいちキュンときます。

本題であるフランスの旧植民地ガボン出身のイドリッサにはあまり深く切り込まれません。口さがない表現をすれば、登場人物は統治時代のツケを払わされていると言えなくもない。けれど彼らは移民問題をどうにかしようというヒロイックな行動原理でなく、少年のために各々やれることがあるならやろう、ぐらいの姿勢なので肩肘張らず見られて良いです。
声高に社会問題を論じるというより、世界の片隅にこんなお話があってもいいと思わせるやり方…粋ですねえ。

買った食べものは基本袋とかに入れないんだ…。無造作に扱われるバケットとか卵とかパイナップル(!?)とかが異様に美味しそうに見えるから不思議。
Myon

Myon