浅野公喜

ファンキー・ヘッド/僕ってヘン?の浅野公喜のレビュー・感想・評価

3.4
精神病院を出て以降引きこもりの男がギャングに襲われた女性をかくまったことがきっかけで外に出ようとするファンタジーコメディ。サム・ライミ監督の弟テッド・ライミが主人公を演じ、サムと彼の作品にはお馴染みのブルース・キャンベルがプロデューサーとして名を連ねています(後者はチョイ役でも出演)。

主人公は様々な幻覚に悩まれており突然ドリル片手に頭を切ろうとする医者軍団、レコードをかければ黒人ラップ軍団が登場し広告のセクシー美女、本の表紙のエドガー・アラン・ポーまで話し掛けてくる始末。どうも喋り方がたどたどしくゆっくりの為数々の幻覚でもたらされる勢いが削がれている気がしないでもないですが、アルミホイルやサランラップで武装したビジュアルは唯一無二のもので脳内を這いずり回るクモや50年代SF映画風のチープな巨大クモといった特撮もポップな世界観の中違和感なく溶け込んでます。

中盤では日本のせんべい(?)を食べる珍しいシーンも。イメージよりも凄く面白くは感じませんでしたが、忘れ去られるには少し勿体ない個性の作品です。
浅野公喜

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