菩薩

戦争より愛のカンケイの菩薩のレビュー・感想・評価

戦争より愛のカンケイ(2010年製作の映画)
4.0
ですから童貞にフリーSEXの話は分からぬと再三再四申し上げているのであって…とはねつける事も可能だが悲しいかなちょっと面白かった。戦争とSEXとの関係性は遥か古、紀元前4世紀頃のアリストファネスの『女の平和』で既に…と昔取った杵柄を晒したいところだが真面目にゼミにすら出ていなかった自分にはそれ以上の知識が無い、ただわざわざ「ギリシア」に対する目配せが出て来るのはそう言う事なのかもと思った。この映画の場合はあくまで政敵に対して性的に迫っていく破天荒娘が鍵になって来るのだが、実際イデオロギー的に右に傾く者、排他・差別主義(劇中の表現で言えばファシズム)に走る者は(全員がそうとは言ないが)その大半が強烈な欲求不満に襲われているのは事実だろうし、仄かに漂うミソジニーを度外視すれば基本乳丸出しで奔放な生活でありながら確かな政治的意図を持ち活動を続けていくバイアを演じ切ったサラ・フォレスティエは見事なりと言わざるを得ない(つかクソ可愛い)。多民族国家フランスの中で共に悲劇的なルーツを持ちながらそれでも「フランス人」として生きていく為に、雑多な社会の中でむしろ雑種になりきる事で境界線を取っ払っていく為の連帯。リベラルらしいフリーSEX思想と言われればそれまでだが、結局は憎しみよりも愛をの至極真っ当な主張、ちなみにこのジャケのシーンは流石にアホい。
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