まさたつ

魔法使いの嫁 星待つひと 前篇のまさたつのレビュー・感想・評価

4.5
どうも皆さんのレビューの中に誤解を招く感じのものが多かったので、先ずはそちらについて。

私も原作一巻のみ読んだ時点で映画館に行きましたが、こちらは原作ストーリーのアニメ化ではありません。
原作では語られていない主人公、羽鳥チセがエリアスと会う前の物語がメインとなっています。

今回はイントロダクション的に原作の時系列(チセとエリアスが一緒に生活している)から物語が始まりますが、本題は別となっています。
今作は原作に同梱されるOAD(オリジナルアニメーションディスク)の先駆け2週間限定上映である為、完全に原作ファン向けの作品だと言えると思います。今回は三部作の前編です。

確かに時間は短く、物語的にも本当にイントロダクションのみと言って良いものでしたが、とても鄭重につくっているのが良く分かり、また原作のキャラクターが違和感なく生き生きと動いている姿を観ることが出来きる、良い作品だと自分は感じました。
前編の後の解説的なインタビューも中々興味深く、関係者の原作愛を感じる事が出来ました。

ただ、今回の上映にあたっての宣伝の仕方、予告編の造りが誤解を招くものであったのではないかと自分は思います。あれでは原作未読の方には、普通に原作のアニメ化に見えるかと。

もう少し、原作ファン向け以外の視点も必要なのではと考えます。原作の世界を拡げる為にも、原作ストーリーのあらすじ的な何かがあっても良かったのかなと考えます。
今回の映像化部分を未読の方が観たら、ストーリーも背景も全く理解出来ないと思いますので。

前編を鑑賞後、原作を既刊分まで読み進めましたが、原作ファン向けの映像化としては素晴らしいと感じました。
折角映像化するのであれば、併せて裾野を広げる取り組みもあったら良いのにな、と言うのが最終的な感想です。

原作を読んでかなり好きになりましたので、続編にも期待してます。原作既読を条件に今回の評価となります。

完全に未読の方にはオススメ出来ません。
せめて一巻を読んだ上での鑑賞をオススメします。私は好きです。
まさたつ

まさたつ