えいこ

ディレクターズ・カット JFK/特別編集版のえいこのレビュー・感想・評価

4.0
様々な説が存在するアメリカの歴史的事件だけに、好奇心が勝り、長さを感じない。

信念にまっすぐな検事ジムにケヴィン・コスナーは適役。始まりのざらついた実写コラージュでぐいぐい引き込まれる。
オズワルド役のゲイリー・オールドマンもミステリアスでよい。ジョー・ペシのくせ者感もさすが。

3年も経過してからさらに何年も執念を持って追求するジムの気概と勇気。何が正義かは権力で決まる。真実を積み上げても、簡単にひっくり返される。次々と死を遂げていく証人たち。国家権力は本当に怖ろしい。戦争には常に大義などなく、巨大な利権争いがあるだけ。人民のために立ち上がる政治家は次々と暗殺され、国家の流れは変わらない。

家族そっちのけで仕事に没頭するジムと意見はするが従順なリズの夫婦のあり方が前時代的だが、それも古き良き時代か。現代は自立したかわりに個人主義が幅を利かせ、あるべき国家や民主主義のために命をかける者はいない。理想を掲げ、導いていくリーダー、ケネディやジムに憧れる。
えいこ

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