少年と老人の空を飛ぶ夢、というとフランチシェク・ヴラーチル『Clouds of Glass』を思い出す。軍の映画局で作られた短編映画なのだが、空を飛ぶことに憧れる少年はパイロットだった父親が飛行機事故で死んでも尚、空への憧れを持ち続ける。自滅してでも空を飛びたいという願いの映画なのだ。本作品も戦争と直結している。ハリーはパイロットで、彼の同僚で既に亡くなったパイロットたち(老人の姿で登場するが彼らも実は戦争で亡くなったのかもしれない)が幽霊の姿で登場する。そして、自分が死ななかったのは臆病者だったからだとするハリーに、オーヴィルは全て承知の上で"それでもただ空を飛びたい"と願うのだ。