がちゃん

明日に処刑を…のがちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

明日に処刑を…(1972年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

不況の1930年代。
飛行機事故で父を亡くしたバーサは、
貨車にただ乗りしながら、放浪生活を続けるうち、
南部のある街で、組合運動の闘士ビルと知り合い恋に落ちる。

そしてトランプ詐欺師レイクと組んで渡り歩くうち、
イカサマがばれて殺されそうになった彼を助けるため、
バーサは弁護士を撃ち殺してしまう。

そして逃げようとして貨車に乗り込んだバーサは、
ビルと再会、
しかしビルとレイクはつかまり、
やたらと囚人を撃ち殺してしまう刑務所に入れられる。

労役として、ビルとレイク、そして黒人のボンが、
線路工事をしていたとき、
盗難車でバーサが現場に現れ、3人を脱獄させる。

脱獄した3人とバーサを加えて4人組となった彼女らは、
強盗を続けながら放浪の旅を続け、
彼女らは有名になる。

この中盤くらいまでは、
サスペンスというよりユーモラスなタッチで、
強盗を続ける様は「俺たちに明日はない 」を連想させるが、
次第に4人がばらばらになっていくあたりから、
ぐっと悲惨で、悲劇的なムードになっていく。

オープニング、
霧の中からゆっくりと貨車が現れるシーンから、
映像感覚がとても素晴らしい。
ドカン、ドカンとショットガンをぶっ放す場面も、
構図がバッチリ決まっていてかっこいい。

ハーモニカで奏でられるブルースも、
時代を感じさせてくれるし、
組合つぶしに躍起になる鉄道会社の描写も時代です。

再度投獄された黒人のボンとビル。
ボンは早くに釈放されるが、
ビルは獄中生活を続ける。

ビルの出所を待ち続けているバーサは、
娼婦にまで堕ちていくが、
酒場でボンと再会し、ビルが脱獄し隠れ家に潜んでいることを聞く。

そしてビルとバーサは再会を果たすのだが、
これが悲劇の始まりだった・・・

この作品のラストシーンは悲しい。
悲しいけれど美しい。
ビルの屍を貼り付けた蒸気機関車をバーサは追う。
しかし汽車は速度を上げ遠くに離れていく。

バーサを演じた、バーバラ・ハーシー、
そしてビルを演じたデヴィッド・キャラダインそろって好演。
この作品中のセックスシーンは演技ではなかったと、
二人は語っています。
がちゃん

がちゃん