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サイコ3/怨霊の囁きのイワシのレビュー・感想・評価

サイコ3/怨霊の囁き(1986年製作の映画)
3.6
アンソニー・パーキンス監督・主演。ダイナーでのインタビューはパーキンスの自己言及かと思うほど。殺人シーンはトイレでのそれが格別。頸動脈への一閃、上向く顔、動く剥製の眼、アクションつなぎではらりと顔を覆うトイレットペーパーの見事な落ち方。

母親のボイスオーヴァーからパーキンスの肉声に戻るクライマックスは『サイコ』の裏返し。あまりにも綺麗な反転がパーキンス自身の演出でおこなわれるので、ノーマン・ベイツという呪縛からアンソニー・パーキンスが解放されるために映画を撮ったのかと邪推したくなる(二重人格でなくなったノーマン・ベイツの魅力は、文字通り半減するだろう)。ラスト、パトカーの後部座席にパーキンスのクロースアップは『サイコ』のラストのそれと同時にベイツモーテルに向かうジャネット・リーのそれも連想させる。ちなみに母親のミイラ(『サイコ2』直後なので正確には違うが)の手を隠し持っている姿は吉良吉影かよと思った。
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