ロバート・アルトマン版「ロング・グッドバイ」とこの作品を続けて観たのだが、こちらの方はレイモンド・チャンドラーの原作の世界観に比較的忠実に描かれたハードボイルド・ムービーで安心して観られた。
75年製作の作品ではあるが40年代の雰囲気がよく出ていて、後年観る者は公開時のその事を忘れがちになるが、そこは意外と重要なファクターである。確か70年代中盤のこの時期「チャイナタウン」など30年代後半〜40年代初頭を舞台にした映画が数多く作られたのを思い出した。
この世で最も軍服が似合う男、ロバート・ミッチェルのマーロウも、マーロウらしい「筋を通す」感がよく出ていてとても素晴らしいが、シャーロット・ランプリング（「愛の嵐」！）のファムファタールぶりも、マロイならずとも男性なら皆んな魅かれるだろうという説得力がある。（多分ブルーネットともできてたんだろうな…。）
