ある日突然車ごと崖から落ちて命を絶った高校生の家族と親友を描いたチャーリー・シーンとロブ・ロウの弟チャド・ロウ主演のテレビ映画として放映されたヒューマンドラマ。

チャド演じる高校生は成績不振で、片思いの女性にアプローチし（好きだと言われるもそれは異性としての好きではないと）やんわりと断られ、両親は毒親ではないものの彼の悩みに気付かない。決して劇的ではないのですが、あえて嘘をついたり「もし僕が自殺すると言ったらどうする？」と相手の反応を伺う辺りをはじめ些細な言動はどれも共感を覚えるもの。

中盤以降はチャーリー演じる親友や家族がメインとなるのですが、単なる心の病と片付ける周りや自殺と認めようとしない両親に自分たちにも原因が有ったと訴える妹や親友の姿は胸を打つものがあり、チャーリーが更に追い込まれることになるボランティアで慰問する病院の少年の出来事含め予期せぬ悲劇が起こる前に人はどれだけ人に対して誠実さや慈悲深さを持つことが出来るのか？というテーマも浮かび上がってきます。

ハワード・ヘスマン演じる父親の「男は涙を見せられないんだ。その分わめき散らす。息子の自己表現が下手なわけだ」というさりげない台詞には日本以上に男らしさ（マッチョイズム）の縛りが強い欧米男性の生きづらさが垣間見える気が。地味な作品ながらキャスト一人一人の繊細な演技も相俟って結構な良質作品と思いました。

ただ、16歳位で免許を取れて且つシボレー・カマロを乗り回せるのは余談ながら羨ましい・・！

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