朝田

仁義の墓場の朝田のレビュー・感想・評価

仁義の墓場(1975年製作の映画)
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深作作品というかヤクザ映画史上屈指のキチっぷりを誇る主人公。記号的なハイテンション演技ではなく、あくまで自然に狂った素行を見せていく演出の見事さ。台詞なしでも背筋が凍るような遺骨をボリボリと噛み締めるあの目付き!渡哲也はこんなに凄い俳優だったのか。何回か繰り返される群衆が部屋の中で入り乱れるシーンのカメラワーク、画質の切り替えの凄まじさ。役者の熱気と作り手の熱気が見事に合致した美しさがある。不必要なシーンはバッサリ切り捨てテロップで処理する速度感こそ東映の美徳である。
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