仁義の墓場の作品情報・感想・評価

「仁義の墓場」に投稿された感想・評価

再見。
深作欣二の異様な思い入れが伝わる。
ドヤの二段ベッドでペイ(ヘロイン?)を射つ渡哲也と芹明香、となりのベッドで手を合わせる田中邦衛。あのシーンの神々しさ。
セイ

セイの感想・評価

4.0
ヤクザですら震え上がった男の破滅的な生き様。不思議と、こんな男にですら添い遂げる女がいるっていう。バイオレンス描写も相変わらず良かった。
大好きなバンドのギタリストである彼は、女からモテた。サラサラの髪をなびかせながらギターを弾く彼は実際かっこよかったし、素人目に見ても腕前は確かだった。
私は中学生の時からファンで(インディーズのバンドだが)彼とはよく話す。例えば彼の恋人の相談とか。

彼は女を、世間を、舐めていた。大体ヒモか無職、バイトをしてもすぐに飛ぶ。
世間は彼をクズと呼ぶかもしれないが、私は大好きだった。年上の彼を可愛いと思っていた。
たぶん私が恋愛をしようと思えば出来たのだろうけど、私には危険なところに踏み込む勇気がなかった。恋愛は出来ても成立はしない。実のところ、彼への愛情が恋によるものかファンとしてなのか友情なのか、選別が難しい。
冷静に考えたら、好きだけど、そんなに好きじゃなかったのかな。

女って(少なくても私は)クズに甘いんじゃないかと思っている。クズを心の底から憎んでる女をあんま見たことがない(酷い目にあって別れた場合は別)。クズだからって嫌わずに呆れるじゃん。

私はクズと恋愛はしないけど、クズに惹かれる気持ちはわかる。

『仁義の墓場』の主人公は、邦画史上一番のクズだと思ってる。(ちなみに洋画はナイトクローラーのジェイク・ジレンホール)

で、恋人?が出来る。その恋の始まり方も実にクズ。女の子、初対面の時しゃべってない。でも2回目会うときは彼氏ヅラ。うっそ。

女の子、主人公に会う度に好きになってるんだけど、なんで好きになってるかとか描いてない。
でも、わかるんだよな〜。
自信しかない横暴な男のこと、会えない間も考えてたんだろうな、って。

私が当事者でも、恋しちゃうなって。

あー、上手くまとまんねー

なにが言いたかったのかといえば、『仁義の墓場』は観た後、決して気分が良くなる映画では無いけれど、私はお気に入りの一本ですって事かな。
abdm

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3.5
深作監督らしいパワフルな一作。
親分と子分の関係性を描いて子が親に反駁するテーマを浮き彫りにする。
決して俺は間違ってない!間違ってるのはてめーら大人だ!という考えが戦後深作監督が常に思っていて、信念となっていたんだろうなと思える。
正直主人公のいきすぎた行為にはあまり共感は出来ないが、全くできないわけではなくなんとなーく、なんとなーく分かる気がするような気がするような気がするような気がする。

演出面ではやはりラストのスローモーション。デパルマでもない、ペキンパーでもない血みどろなスローモーションに圧巻。それぞれなにを美学と捉えるかによってこうも違うのかとふむふむなった。
tarouman

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3.0
池袋新文芸座 芹明香伝説

渡哲也が徐々にローダウンなジャンキーに変貌してく寒々としたクズぶりを熱演。
血を吐く多岐川由美の隣で虚無な眼差しで横たわり、挙句の果てにはハナ肇の前でお骨を齧るといういかれっぷり。
ただ生真面目な本質は覆い隠せず、虚ろな瞳は見せるものの狂気は宿せず、これがサングラスの多用につながったのかは知る由もない。
その点、成田三樹夫なんぞは科白は殆どなくとも匂いをプンプン撒きちらし、田中邦衛に至っては彼岸の向こうに飛んでます。
多岐川由美という聖母を失い救済の道も示されることなく外に出れば混沌とした池袋のネオン街。
94
こうゆうサイコ系ヤクザが一番怖い。ドスが彼岸島の日本刀ばりに簡単に折れてたのは秘密。
shinnaoki

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3.0
俺が死ぬ時はカラスだけが泣く
このキャッチフレーズがまずカッコ良い。
凶暴過ぎる男の自伝映画。
凶暴過ぎて予測がつかない動きに、躍動感ぎあり、すごい。
仁義を捨てた男の末路はいかに?
sumi

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4.1
実録ヤクザ映画のはずだけどサイコホラーみたいにになってる笑

とにかく実在したヤクザ「石川力夫」演じる渡哲也さんの演技が凄まじいです。生きながら死んでる人でした。
親や兄弟でもおかまいなしに暴力を振るい、ヤクに溺れ自滅していく石川。
感情移入は全くできないのですが、ここまで行き着くと、映画の中ではめちゃくちゃ魅力的に見えてくる。

やっぱり深作監督の演出はテンポが良いです。後半の圧巻の立て篭もりシーン。石川を憎んでるヤクザ達が警察と一緒に石を投げつけるカオス状態。

墓場での襲撃のスローモーションもカッコいいな〜。
ラストのラストも圧倒的な暴力表現。

凄い映画でした。
マヒロ

マヒロの感想・評価

4.0
新宿に実在したトンデモヤクザ、石川力夫の生涯を描いた映画。

『仁義なき戦い』では、仁義を忘れて保身に走る者や裏切りに手を染める者が悪役として出てきたけど、石川という男はそれ以前の問題で、そもそも人間としての分別が全く付いていないかのように完全に本能のみで動く獣のような人間でひたすら恐ろしい。
女がいたら襲う、気に入らないやつはぶちのめす、親分に命令されても自分の都合が悪ければ無視と、後先全く考えずに動くお陰で周りの人間に迷惑をかけまくるという悪魔のような存在。演じる渡哲也がなぜか終始土気色の嫌な顔色をしているのも不気味さに拍車をかける。
実録映画なのに、あまりにも石川の行動が突飛すぎるので全く先が読めないスリリングな展開が続くのが面白い。

後半、追っ払われた先の大阪でシャブを覚えてからは完全に人ならざる者という感じで、殆ど喋らずに虚ろな目でフラフラしている姿は最早ゾンビにしか見えない。実話と思わずに、人の姿をした怪物が暴れまわる映画だと思って観た方が良いかもしれない。あまりにも破茶滅茶なので、ラストにはナレーションまでツッコミを入れているのが笑える。

冒頭、実際の石川の近親者へのインタビューで「昔は勉強が出来て…」みたいなことを言っているのを聞いて、んなアホなと言いたくなってしまったんだけど、彼の辞世の句のセンスの良さとかを見ると、確かに地頭は良い人なのかも…とも思えてくる不思議。最後の最後までどんな何を考えているのか全く分からないということだけは確かか。


(2018.38)
AKITO

AKITOの感想・評価

2.7
渡哲也演じる石川力夫がまるで魅力がない。極道の仁義に反して、親に背き、兄弟を殺し、覚醒剤にまで手を出す始末。妻に先立たれ、刑務所にて自殺。
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