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ソニーとシェールの グッド・タイムス
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『ソニーとシェールの グッド・タイムス』に投稿された感想・評価

demio
3.5
(人々にほとんど観られていない)フリードキンの劇映画デビュー作。

大人気の夫婦のポップデュオ(日本で言うならルクプル)のソニー&シェールを主演に映画を撮ることになったけど、腕利のプロデューサーがあらかじめ商業利用権をコロンビアに120万ドルで売り、そして製作費を50万ドルに設定し、作品の出来など知ったことか状態になったところでフリードキンというドキュメンタリー畑の新人監督に渡されたらしい。フリードキンの無計画さと社会道徳ガン無視イズムはデビュー時点すでに発症していて、偏執的なこだわりから予算を早々に使い果たし、雇ったユニオンが解散してなお必要な尺の半分程度しか撮られていないところで、無理くり追加調達した10万ドルでドキュメンタリー作家時代のシカゴの友人たち的なスタッフをかき集め(そこにはのちにジョーズやロッキーシリーズの撮影監督として名を馳せるビル・バトラーがいる)、ロサンゼルス中(そこにはパラマウントのスタジオも含む)を無許可・無賃のゲリラ撮影しまくって、尺を埋めたという。だから、映画の本筋に「これいる?」なシーンがそこかしこに差し込まれていて、その無駄さがかえって映画の精彩を作り出している(『その男凶暴につき』と同じだ)。

作品そのものは、ソニー&シェールが主演映画を撮ることになったが、金のことしか考えていないプロデューサーから量産品丸出しの脚本を強いられて揉める、というどう観ても本作の製作背景をこき下ろしたようなメタフィクションもので、これを撮りながら現実のプロデューサーから追加予算を際限なく絞り出してたのかよ…と驚いた。フリードキン、よく次のキャリアに進めたな…。

まあまあ程度のおもしろさの作品だけど、カメラワーク、色彩設計、銃撃戦の音の派手さ、すべてにフリードキンの萌芽が見られる。