えす

秘密指令(恐怖時代)/秘密指令 The Black Bookのえすのレビュー・感想・評価

4.0
仏革命直前のパリをジョン・オルトンの鮮烈なカメラがノワールの黒に染め上げる恐るべき傑作。断頭台に始まり、連なる顔貌のクローズアップがこの映画の暴力性を剥き出しにする。終盤では大胆に血飛沫まで。「黒い本」を起点にしたサスペンスの持続は歴史劇としての感触を希薄に。窓ガラスから覗き込むアーレン・ダールの視線がなんと美しいこと。あのワンショットで一気に惹きつける力がある。
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