1942年、ドイツ支配下のワルシャワで娼婦殺人事件が起きる。情報部グラウ少佐は目撃者の証言から軍の将校が犯人と睨む。その捜査線上には親ヒトラーのタンツ将軍の名も挙がっていた…。
主演はピーター・オトゥールとオマー・シャリフ、音楽はモーリス・ジャール…。「アラビアのロレンス」を彷彿させるこの布陣。捜査に執念を燃やす少佐(のちに中佐)をシャリフが、戦争の狂気を体現する将軍をピーター・オトゥールが演じている。他にもドナルド・プレザンスやフィリップ・ノワレなどキャストは豪華。ヒトラー暗殺計画を絡めた中盤の展開、とくにタンツ将軍のあの異常さは物語として楽しめたが、後半があっさりしていて残念だった(中盤は登場人物多すぎて展開が停滞してしまったところもあったが…)
グラウが戦争よりも捜査に執着する理由や、将軍がゴッホの自画像に強い興味を示すその背景も、もっと見たかった気がする。