マギー・チャン、ケニー・ビー主演の隠れた秀作！実家の物置から、昔買ったDVDをたまたま見つけて、かなり久しぶりの再鑑賞です！

香港デモで揺れに揺れる1960年代の香港。女富豪の運転手をしながらママ活で生計を立てている青年と、女優志望で映画監督とパパ活をしながら生きている少女。そんな2人の儚くも切ないラブストーリー！

香港映画とは思えない位、洗練された作風で、オールディーズが全編流れるオシャレさ！監督は、『霊幻道士』シリーズでオトボケ風水師を演じていた、アンソニー・チャンで、普段はコミカルな演技しかしない俳優さんで、見かけによらずロマンチックな人なんだなあと感心してしまいました。
自身もマギーと愛人関係になる、富豪役で出演しています。

部分的に、同時期製作のジャッキーの『奇蹟／ミラクル』のセットを使っているみたいで、何か微笑ましい気持ちになりました。
香港暴動は、正に今の香港を思わせる物で、本当に複雑の気持ちになってしまう。
貧しいながらも、夢に向かって共に生きる2人の姿は、まるで早すぎた『ララランド』と言ってもいいかもしれない(言い過ぎました←

ストーリーは、正直ベタなところもありますが、オールディーズの劇伴が煽りに煽り、なかなかの仕上がりです。
マギーのド下手な英語エピソードや、カレーのエピソードなんかも素敵。笑

コケティッシュで、ひたむきなヒロインを演じたマギー・チャンは、今作での大熱演が評価され、香港金像奨で最優秀主演女優賞を獲得し、今までのコメディエンヌから脱皮して、見事に大女優としての道を歩き始めたきっかけになった作品です。

お金や名声より大切なのは愛！激動の時代に生きる、名もなき真っ直ぐな2人の姿に涙しました。
香港映画に興味がある人なら、絶対見てもらいたい秀作です！