猫脳髄

金環蝕の猫脳髄のレビュー・感想・評価

金環蝕(1975年製作の映画)
3.8
自民党における池田勇人と佐藤栄作の政争を背景に1965年に発覚した「九頭竜川ダム汚職事件」のてん末を、名前こそ変えているがほぼ実在の人物をモデルに映し出した政治ドラマ。

池田内閣の冷徹な官房長官に仲代達矢(茶白コンビのウィングチップ!)、政治家を強請るスキャンダルに目がない闇金王に宇野重吉、告発屋の与党議員を三國連太郎、寝技師のゼネコン役員に西村晃、新聞ゴロの高橋悦史などなど、昭和を代表する名優が権謀術数の限りを尽くす。

政争に絡み、業者に肩入れして名刺を差し入れる総理夫人と最近もどこかで聞いたような話が飛び交い、半世紀近く前の作品だが、なかなか新鮮に感じる。そう言えば、現職総理もこの池田派(宏池会)の保守本流出身である。日本政治の来し方を知るにもうってつけの一本。
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