MURANO

THX-1138のMURANOのレビュー・感想・評価

THX-1138(1971年製作の映画)
4.0
1971年にすでにこれを作っていた若きジョージ・ルーカスの才能を垣間見れる作品。

低予算ならではの工夫でSF世界をしっかり築いているのに目を見張る。

ロボットの造形や後半の追跡劇のスピード感は、のちの『スター・ウォーズ』に繋がる部分がありますね。

SF作品における自意識の探求というテーマはもはや使い古されているので、すでに目新しさはないが、THX-1138が自らの存在意義を探す話としてストーリーは首尾一貫しているし、コンパクトにまとまっている。

今観てもその世界観も含め、十分に楽しむことができる。

ストーリー上で面白いと感じたのが、予算をオーバーすることで追跡が終了されるということ。

人間を生産手段としかみなしていない近未来世界が舞台で、人間の存在よりも予算が重視される。それが管理社会として描かれている。

ここに消費社会への批判を感じたのだが、のちにブロックバスターを連発するルーカスの映画だけに、今となっては自らへの皮肉にも思えて面白かったです(笑)
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