エルヴィス主演の現代西部劇コメディ。最初はバート・ケネディが監督予定だったという。多分ケネディが監督していたらこんな奇妙な映画にはならなかったろう。テュークスベリーは翌年の『トラブル・ウィズ・ガールズ』同様、はっきりした起承転結のない、混沌、集団の狂騒を描く。映画は、ナバホ族の遊び人で機知に富み家族思いの青年エルヴィスとその家族、その友人たちのまったく意味のないどんちゃん騒ぎ、飲んで踊って女の尻を追っかけて喧嘩してそこらじゅうをぶっ壊していくさまをドタドタとひたすら綴っていく。後のロバート・アルトマン喜劇に繋がる混沌とナンセンスがここにはある。公開当時批評家からはネイティヴ・アメリカンの権利について皆が考えている時に、こんな不真面目な映画はけしからんと酷評された。規格外の表現にどう反応してよいか分からない時、人は癇癪を起こす。再評価が望まれる。

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