発掘された石碑に封じ込められていたバイキング伝説の怪物が考古学者の男の体を乗っ取り蘇る、「強殖装甲ガイバー」を思い出すというか同時代の日本のアニメにもありそうなタイトルのホラー。主演は「ダイ・ハード」のロン毛テロリストでお馴染みでバレエダンサーでもあったアレクサンダー・ゴドノフにモデル出身のジョーン・セヴェランスで、監督は「マイ・ハート、マイ・ラブ」にアニメ「ブレイブ・リトルトースター」(!?)を手掛けたウィラード・キャロル。

怪物は「プレデター」に（文字通り）毛が生えた雪男風のビジュアルでVHSのジャケ程の迫力は無いもののまあまあの出来で、アレクサンダー演じる怪物倒しの男は序盤からちょこちょこ登場するも本格的に活躍するのは終盤数十分といった所。メインはショーン演じる画家や今の夫、怪物になった考古学者の前夫辺りで戦いを通じて画家と前夫の「踏ん切りをつけようとする女」と「終わった関係なのに執着する男」という男女の関係性がなんとなく見えてくるのが興味深いかも。

怪物に襲われる所はややオフスクリーン多めで、そうでなくても血が少し出る程度とオーソドックスな作りながら逃げてる途中で絡んできたチンピラ達が殺されるベタながらスカッとする要素も有れば、パトカーの後部座席から怪物が制帽を被って襲ったりと適度なユーモアも有り、美術展でアイロンがけする女というテーマでショーウインドウ内でそれを演じる女性が怪物に襲われるも、観覧者達は本当に襲われていると気付かず「これは凄い！」と感嘆、血が窓に張り付くと「リアリズムだ！」と称賛→怪物がウインドウを破り彼らも襲われてしまうくだりは出色の出来でした。

終盤の戦いではビルの床が陥没するも斧一つで戦ったり思ったより小規模だったりと、粗が無いわけではないですが全体を通して安っぽさは無い堅実な作りで埋もれてるのが少々勿体ない一作。「レザボア・ドッグス」のローレンス・ティアニーも警察署長役で出演。

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