ジプシーの青年の成長とともにジプシーの生活や社会をエネルギッシュに描いた、私の人生ベスト級に大好きな『アンダーグラウンド』のエミール・クストリッツァ監督作品。
この監督の作品はどれも生に対する強い思いが画面を通してものすごく伝わってくるんですが、今作もやはり唯一無二の映像体験をさせてくれます。流浪の民ジプシーの苦難の日々を描きつつ、喜劇的な明るさで最後まで突っ走る、何とも言えない疾走感。
後の傑作たちに通じるものはありますが、自分の中で『アンダーグラウンド』があまりに完璧で大好きすぎるために、それと比べてしまうと全体的に物足りなさはあるかなという印象です。