ジプシーのときの作品情報・感想・評価

「ジプシーのとき」に投稿された感想・評価

エミール・クリストリッツァ監督作品
神秘に包まれた流浪の民、ジプシーたちが繰り広げる夢と幻の一大叙情詩、誰も報われない悲しき復讐譚。
舞台は旧ユーゴスラビアのとある小さく貧しい村。祖母からジプシーの誇りと不思議な力を受け継いだ心の優しい青年ベルハンを中心に、その生い立ちと世知辛い世界での成長ぶりが描かれる。
非常に興味深い秘められたジプシー文化を土着的な描写で再現すると共に、マジックリアリズム的な要素を器用に織り交ぜて構築された幻想的な魅力溢れる作品。
幻想的な要素に富んでいながら、テーマは至ってシリアス。人の世の憂いの部分を実に上手く表現していると思う。
定番のロマ音楽も相まって壮絶な見応えだった…素晴らし過ぎる…
とりわけ「Ederlezi(子守唄の意)」なる曲の荘厳さには思わず体が震えた。
同監督のファンであれば高騰する前に手元に置いておきたいディスクの一枚だ。
TSUTAYAに傑作映画という事で置かれていたのでレンタル。

テーマはお金大事という事でいいと思うけど表現の仕方が見た事無いパターンのオンパレードで特異な作風と感じた。(家の屋根w箱のトイレw)

既成路線の映画に少し飽き気味の時に見るのは良いかも。少し鬱映画かな😕

114/2021
kanegae

kanegaeの感想・評価

3.4
非常に魅力的な作品に見えた。主題はアンダーグランドとほぼ被るように思える。
アンダーグラウンドの方が脚色が強く、こちらの方が素朴な描写となっている。結婚、信用、忘れる忘れない、ユーゴスラビアの歴史と作家の理念とが混ざり、妙にポップに昇華されている美しい作品だ。
現実と空想のギャップ。

現実が極端にシビア。
そしてポーンと跳ね上がる空想。

その大き過ぎる振れ幅が
もの凄く短かなタームで
次々と押し寄せてくるので、
今回も頭をふらつかせてくれる。

やはりこの監督の作品は、
好き嫌いの問題を超えて
観る者を中毒にしてしまう
要素を持っている。

お決まりの走り回る鳥。
お決まりのジプシー音楽。
お決まりの悲しみを感じさせない悲話。

ただ、今回の作品は、
「アンダーグラウンド」や
「オン・ザ ・ミルキー・ロード」と比べると、
あの混沌としたゴチャゴチャ感や
展開の忙しなさが影を潜めた分、
ほんの少し落ち着いて鑑賞できたかも・・・

さて、次は「黒猫・白猫」だ。
mmm

mmmの感想・評価

3.2
めちゃくちゃ高評価。
でも私には理解できずよく分からなかった!

祭典はなんだか幻想的だったけど全体的に私にはまだ早かったかな。

音楽も高評価だけど私は少々ノイローゼ気味です....。
ちー

ちーの感想・評価

3.6
ユーゴ版ゴッドファーザーとの指摘がすでにある。子供を使って小銭を稼ぐせこいヤクザ。子供がまぶたの冥銭を盗み、この土地の人たちがまだまだ同じことを繰り返さなければならないことを暗示する。そんな筋よりイメージばかりが残る。
悲しいのか楽しいのか分からない音楽が婚礼でも葬式でも流れる。80sの感覚が意外と強め。
trsw

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4.8
こういうの、めちゃくちゃ好き..........

誰も救われない復讐 貧しい生活の中にある喜び 人間不信 アコーディオン 電車 結婚式 マジックリアリズム 殴り合いの喧嘩 ヨーロッパ大陸っぽいシンセ

ユーゴスラビアの「ゴッドファーザー」という評価も散見されるしそれも間違いないけど、全然それだけじゃない
kt

ktの感想・評価

4.0
志村けんのバカ殿の、くさやとかが入ったミックスジュースみたいな映画

けどクストリッツァ監督が作るミックスジュースは飲める

ただジャケ写はもうちょいなんとかして欲しい
sonozy

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4.0
前作『パパは、出張中!』でカンヌ国際映画祭でグランプリ、本作も最優秀監督賞を受賞した、ユーゴのエミール・クストリッツァ監督作。
ジプシーの家族・少年を中心にした一大叙事詩。

ユーゴのジプシーが暮らす小さな村。
村人の病気を魔法で治す祖母、サイコロやカード賭博で借金を重ねたり近所の少女に手を出したりのしょーもない叔父、足の悪い妹ダニラと暮らす、ペルハンは祖母譲りの念力(スプーンやフォークを意のままに動かせる)とアコーディオンの上手な少年。
愛するアズラ(可愛い)と結婚したいが、何度チャレンジしてもアズラの母に猛反発をくらい自殺未遂を図る始末。

村一番の金持ちの悪党アーメド一族の幼い子を魔法で救った祖母は、その御礼にダニラの足を大きな病院で治すことを約束させる。
ペルハンは、アズラに戻るまで待っててくれと言い残し、ダニラに同伴し、アーメド一族の車で家を出る。

道中、病院にダニラを預けると、ペルハンは無理矢理イタリアまで連れて行かれ、アーメド一族と共にイタリアで共同生活を始め、彼らが買い集めた子供たちと共に、盗みや物乞いを教え込まれる。

妹ダニラの無事を信じながら、次第に悪に手を染めていくペルハンの波乱万丈な人生が始まる・・・

秘められたジプシーの生活を捉えるため、2ヵ月の取材、9ヵ月の撮影、編集等に6ヵ月を費やして完成させたという作品。
キャストの大半は本物のジプシーで、言葉もジプシーが使う「ロマ語」だそう。
ペルハン、アズラ、アーメドらは俳優ですが、名演の祖母も、キチガイな叔父も素人というのは驚きです。

原題は『Dom za vešanje(≒吊るされた家)』で、キチガイな叔父がやらかす件からでしょうか。

『チャンシルさんには福が多いね』で本作がアコーディオンと共に引用されていましたが、前半で嬉しい時や悲しい時にペルハンが弾くアコーディオンの音色。
ジプシーの人々の生き様と共に沁み入ります。
「チャンシルさんには福が多いね」のチャンシルが、映画の世界を目指すきっかけになった作品。
主人公の生い立ちをたどっていく作品で、グッドフェローズあたりを思い出した。ただ、ベルハンや祖母の超能力とか、空飛ぶベールとかファンタジー要素もある。

音楽が印象に残る作品で、チャンシルがアコーディオンを弾いていたのも納得。
序盤のジプシーの村の描写は、変わったしきたりが描かれたり、子どもでも孕まされてしまう様子が描かれたり、ちょっとしたモンド映画っぽい感じだった。途中出てくる川で行う儀式(?)は幻想的な感じがして好きだった。
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