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もののけ姫のAKのレビュー・感想・評価

もののけ姫(1997年製作の映画)
5.0
星5億個の映画。月の小遣いが2000円ぽっちだった中学生時代に、今はなき桐生の小さな映画館に3度通って観た。好きな邦画ダントツ第一位。ちなみに視聴は北米版ブルーレイ。その特典映像、「プリンセス・モノノケ in U.S.A」が良かった。1999年。

「私たちの仕事は、人からどれだけもらったか、なんです。リレー競技だと考えています。僕らは子供の時に、誰かからバトンをもらったんです。そのバトンをそのまま渡すのではなく、自分の身体の中を一度通して、次の子供たちに渡す。それが私の仕事です」

(エボシの造形について)「物凄く深い傷を負いながら、それに負けない人間がいるとしたら、彼女のようになるだろうと思ったんです。彼女は自分の意志で神を殺します」

(ジコ坊について)「彼は多くの日本人です。個人的にはとても良い人たちです。組織に入ると、やることは冷酷にやります」

(エンディングについて)「あの二人はずっといい関係を続けるだろうと思います。サンが生きているためにアシタカはいろいろな努力を続け、同時にタタラ場の人々が生きていくためにも大変な努力を払うでしょう。アシタカは引き裂かれ、傷だらけになります。それでも彼はそれを曲げず、両方を大切に思い続け生きていくでしょう。だから、アシタカの生き方は、今の時代の我々の生き方に共通するのだと思います」

──同時代の日本アニメについてどう思いますか
「僕の友人たちが大勢関わっているのですが、僕は好きではありません」
──なぜでしょうか?
「希望を持たないことをひけらかしているから。ものの見方が浅い。人間に対する共感が薄い。きわめて機械的である。安く作ってある。ふふふ。美しくない」

ちなみに最後の受け答えは明らかに庵野秀明と押井守を意識してなされている。『ジ・エンド・オブ・エヴァンゲリオン』の公開はもののけ姫の翌週だった。時代である。時代としか言いようがない、
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