もとまち

スパズモのもとまちのレビュー・感想・評価

スパズモ(1974年製作の映画)
3.7
タネを明かせば大した真相ではないんだけど、難解なニューロティック・スリラーに仕立てたおかげで他のジャーロとは一線を画した怪作になってる。首吊りマネキンが現れる不気味なオープニングに始まり、途中まではシュールでワケワカメな展開の乱れ打ち。悪夢のように捻くれたプロットのせいで、何度も物語から振り落とされそうになる。殺しても殺しても生き返る殺し屋、血まみれの植木バサミ、井戸から飛び出た女の手。反復される謎めいたイメージが実に魅力的で、それらが終盤にかけて主人公の深層心理へと繋がっていく様はかなり面白い。オチはやっぱりお前もかい!って感じではあるが、モリコーネの奏でる切ない旋律によって格調高い悲劇を見ているかのような錯覚に陥ってしまう。ホントすごいよねモリコーネ。ラストのタイトル・インもバッチリキマってて素晴らしい。
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