Joker

愛に関する短いフィルムのJokerのネタバレレビュー・内容・結末

愛に関する短いフィルム(1988年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

主人公のトメクは友達がおらず、趣味は向かいに住む女性を覗き見すること。こう聞くと、日本の監督ならコミュ症の引きこもりニートのような描き方をしそうだが、
トメクはしっかり働いており、見た目も悪くなく、悪くて原因があるのは彼ではなく環境にあるような感じがして、キェシロフスキは変質で反社会的な人としてではなく、あくまで割とごく普通ではあるが少し問題を抱えているという立ち位置で描いているのだと思う。

彼が覗き見するマグダも、男性と付き合ってはいるが長続きせず、そのせいで自分を見失っていて愛を信じれずにいる。このような女性は世の中少なくないと思う。

キェシロフスキは、割と普通に生活をしているけど、少し問題を抱えていている人物と彼らが感じる思いを描くのが上手だと感じた。

観ている最中はどこが愛に関しているのか分からなかったが、トメクがマグダを覗き、やがてマグダもトメクの方を覗くようになるように、
愛を信じていたトメクがマグダとの関わりによって信じてた愛の実態を知り絶望し、愛を信じれなくなっていたマグダがトメクの思いを知るにつれて愛を感じていく対比、すれ違いが描かれていた。

最後のシーンは意味深だったが個人的には、トメクの望遠鏡を覗く=トメクの視線で見ることで、トメクが自分を嫌らしい視線で見ていたのではなく、悲しむ自分に寄り添う視線で見ていたのだと分かり、彼の愛情を感じとるというシーンだったのではないかと思う。



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