愛に関する短いフィルムの作品情報・感想・評価

「愛に関する短いフィルム」に投稿された感想・評価

覗く男と覗かれる女。
男が見ていたもの。

愛と性欲について考えさせられる。
僕自身そのふたつが全くの別物だということを知るために映画を観ている節もある。別物だという映画もあれば、同じだという映画もあるから困る。とりあえず僕は、下心があるから好きになったのか、好きだから下心が芽生えたのか、どっちだっていい。どちらにせよ好きであることには変わりがないのだからと諦めている。

そんな僕に髪の毛が逆立つほどの衝撃を与えるこの映画。
人と会話する、旅行する、キスをする、セックスをする。こうしたものと同じ行為として、彼には愛する、というものがあった。
彼女が彼の覗きという行為で見ていたものがパンツの下ではない他のものだったことに気づいたとき、愛が性欲を凌駕していたことを知る…凌駕、違う。別物なのだ、と知る。

この男の覗きという一見、低俗極まりない行為についてを、簡単に愛を口にして、笠に着て、ときに性欲という刹那的な幸福だけを求めている人間は決まって言うのだろう「変態だ」と。僕も含め。


「脳は心の道具であって、起源ではない」
by アルフレッド・アドラー

これで卒論書いてます!

「見ること」「見られること」
トメクは愛する為にマグダを「覗く」
彼の愛はあまりにも純粋で真っ直ぐで、孤独なマグダを素直にしていく。

孤独で大人になりすぎてしまうと、その中で本当に愛というものの本質を見失う。
トメクみたいなところ、忘れちゃいけないよね。昔はマグダもトメクみたいだったかもしれないのに。
好きだから、何か欲しいって、何がしたいって
何もいらない、好きだけでいい
それが本当の愛

テレビドラマ版と劇場公開版、比べても面白い。
シャポロフスカが色々口出ししてセンチに流しちゃった映画版よりキェシロフスキっぽいドラマ版のが好き。
McQ

McQの感想・評価

4.1
覗く男と覗かれる女、、
「仕立て屋の恋」とほぼ同時期の作品で似ている所はあるものの、また一味違った見せ方!

主人公は覗き趣味のただの変態かと思ったけど、自ら覗きを告白したり、女のSフレンドの挑発に乗っかったりと、意外と男らしかった、、笑

一番ゾクっとしたのは、望遠鏡を手にするおばあちゃん。。
(これはかなり痛々しい)

エグい展開しか想像つかなかったけど、ラストは絶品だった。
デカローグの6話目の劇場版。デカローグは悲劇で終わるが劇場版は未来ある終わり方。クシシュトフの核としてはデカローグが正しい。
mtmg

mtmgの感想・評価

4.0
ストーカーものはよくあるけど、立場が逆転して再逆転するような話で引き込まれた。結局下宿先のお婆さんが全てを把握してたような描き方で、「恋の病です」とか普通に言い出すのも雰囲気があって良かった。
kwsmytr

kwsmytrの感想・評価

2.0
この映画のテーマになっている孤独は自分にはあまりにもわかりきったようなことであるからか、すごく退屈だった。
主要登場人物、全員孤独。

そして孤独を紛らわそうと、嘘の愛で誤魔化している。

見られる立場から見る立場へと、変わる滑稽な一部始終はじりじりとする。

容赦なく突き放される…
う

うの感想・評価

4.8
めっちゃ良かった!好きすぎて途中から心の中で唸りつづけた。
見る/見られるの逆転するあたりから本当に面白い。男の子は若いから、もっと未来があって違う人をすきになるかもしれんけど、確かにあれはあの歳にしか経験できんひとつの愛。それに触れてあの女性はきっと愛を思い出したに違いない~それは決してあの男の子に対してではないかな、でもきっとこれから生きるうえで大切にしていこう、と思える気付きだったはず。
あと画面とか光の入り方とか相変わらずのオシャン、この映画の雰囲気とすべてが一致している。興奮で変なことしか言えないけど良かったですほんとにほんとに
海

海の感想・評価

5.0
そのひとが欲しいとは少し違う、そのひとになりたい、のほうが近い恋。

愛するって何?
もっと簡単なのって、じゃあどれが愛じゃなくて恋じゃないの?ひとに譲ってもいい恋とか、支配したいなんて考えるはずもない愛の想い。嫉妬や執着や欲深さで、測れるんだったらどんなに楽だったろう。

ただ見ているだけだったんだよ。幸福の中に居て欲しかった。濡れた髪、部屋の中を踊るように動いて、何でもない癖も時間の並びまで覚えて。窓から見るその景色、まるで一枚の絵画のようだった。美しいから、愛しているから、そこに自分は居なくてもよかった。
あなたが手のひらで撫でた、零れたミルクの生ぬるい温度を知りたかった。流す涙だけ、この手で止めてあげたいと願った。
持て余した胸の温もりが、同じように泣き始めるよりもはやく、どんな言葉でもいいから伝えなくちゃいけなかった。
そうやって恋も愛も囁く。
今度アイスクリームを食べに行きませんか。

きっと彼女には忘れてしまった事かもしれないし、触れずに通りすぎたものかもしれない。覗き見をして芽生えた恋心や、19歳の「愛しています」なんてとても信じられなかった。まるで試すみたいに愛を説いて、押し付ける。
泣くまで。解るまで。恥じ入るまで。死んでしまうまで。はじめて同じ場所に立てる、でも、ここに連れてくる事よりも、あなたに成って幸福にしたいって、その願いがあまりに温かかったから

本能が怖気付いてしまうほど美しいひと。
恋なんて辞書に載ってなくていいし、ラブソングだって聴かなくていい。
名前すら知らなくても、他の誰一人愛した事なくても、これこそが愛だ。誰にも解かせない。あなたにだって説けない。
分ける必要も、解りやすく変えていく必要もなかった。
距離を縮めるごとに置いていくごとに変わっていけばいい。幸福になれるように、あなたにもっと近づけるように、わたしがあなたにならなくても、あなたがわたしを愛してくれるように。

美しいから、愛しているから、わたしがそばに居たかった。


これすごく好きだなあ。
男の子と向かいの女性が出会ってから一気に加速する。そして双眼鏡で失速して、また望遠鏡で駆けていく。
覗き見や悪戯とかしてたのとおんなじ目でおんなじ口で愛を語る時、視線は泳ぐしまなざしは鋭くて、言葉は少ないし声は上手く跳ねない。この心との距離がなんかくすぐったいし恥ずかしい。

愛って無限大。
世界中いっぺんに本気で愛について語る時、まちがいなくどれも正しいのだ。

2018/6/1

六月一本目これでよかった。
「終わりなし」のほうも観て主演の女優さん綺麗だなってやっぱり思ってたんだけど、「愛に関する短いフィルム」の向かいの女性の時、全然雰囲気の違う美しさがあってスゴイと思った。
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