みんちゃん

心のカルテのみんちゃんのレビュー・感想・評価

心のカルテ(2017年製作の映画)
3.7
拒食症について詳しく書いてくれている。
深く共感してしまった。だからこそ見ていて苦しくなった。現に点滴ではないが薬のカロリーが気になったり、生理が来ることに対して怖くなり、中華屋のシーンの内容もした事があるからこそ、リアリティが本当に素晴らしかった。

されど一口、たかが一口がその時というのは実際凄く怖くなる。目の前にあると美味しそうというよりも恐怖心が打ち勝ち、今からこれを咀嚼して飲み込み、身体の栄養分にしなければならないと思うと栄養になること=肥えると頭の中で解釈される為、飲み込むことが実際凄く怖くなる。楽しいはずの食卓が嫌な時間になるわけで、その心理からゲームのようなポイント制にしているのだと思った。
そして、吐く事や運動も禁止されているとなると秘密を交換条件にするのも無理もない。したい事ではなくて、当事者がするとしなければならない事の制御になるのだから。

主人公が点滴している子に点滴のカロリーを伝える気持ちも分かる。あれは意地悪とかでもなく、経験したから教えた訳でもなく、ただカロリーという概念に囚われているから普通に悪気も無く伝えただけなのだ。あくまで、カロリーを伝えただけ。

男の子に関しては唯一の健常者に見えるが、これがまた深いところで、拒食時というものは食べたくない反面、食べ物への執着が誰よりも酷いものである。そして踊りをしていることも拒食のきっかけになったのだと思う。誰かと食べることや楽しみを見つけて体重を増加させている辺り恐らく寂しがり屋なのかなと思った。

なにか大きなきっかけがないとこの摂食障害というものは治せないものなので、最後に出向いたということは治すという意思が出たと自分は解釈をしている。