北川

ウディ・アレンの愛と死の北川のネタバレレビュー・内容・結末

ウディ・アレンの愛と死(1975年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

ウディ・アレンの良さは、言うならば楽観的なペーソスだと感じた。ずっと好きだった従兄妹と結婚できたり、運良く戦争で勲章を貰ったりしてるけど、結局ボリスの人生は悲劇的である。しかし、最後に死神と踊りながら画面外へ消えていく様が象徴するように、自分の死を悲観的には見ていない。
愛についても、最後に「セックスは量より質だ」と言っているが、生も同じなのかもしれない。ウディ・アレンはとにかくセックスの話が好きだな。

チャップリンのような不謹慎なギャグが多い。
『アニー・ホール』に繋がるようなメタ的な手法は形が少し違うながらも多用されている(登場人物が内心を語る、カメラ目線で長々と語り掛けるなど)。ただギャグも語りも若干やり過ぎな感じで、少しテンポが悪いところもあったな。
ウディ・アレン自身も「たくさん映画を撮っていればどれかは当たるだろう」と言っていたと思うが、同じモチーフで何度も同じような映画を撮っていても、人によって刺さるものとそうでないものがあるというのが面白いところ。
北川

北川