菩薩

血槍富士の菩薩のレビュー・感想・評価

血槍富士(1955年製作の映画)
4.0
気立ては良いが酒乱の主人に仕えるお供の2人、旅芸人の母娘、身売りに出向く父娘、商人、巡礼、按摩、挙動不審の男、そして千恵蔵の槍に惚れ込んだ浮浪児、大泥棒の詮議から身売り父娘の救済劇と、中盤までは渡の船を同じくした一行同士の人情喜劇、そして終盤は身分社会に嫌気のさした主人が迎える血生臭くなんとも悲劇的なフィニッシュ、ラストシーンの無情感が涙を誘う。川辺で戯れる芸人の娘ちゃんと浮浪児、それを見つめる母と千恵蔵、そこに飛び込む一大事の報せ、この落差が凄いし千恵蔵(発狂ver)の俯瞰ショットが格好いい、やはりあんだけブンブン振り回しても、なんだかんだ殺傷能力の高い長槍は、武器としては攻守共に最強なのだろうか。途中道中往来止めまでしていきなり野点を始めるどっかのバカ殿を尻目に、前日祭で食い過ぎた浮浪児が野糞をかますシーンが最高に面白い。
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