血槍富士の作品情報・感想・評価

「血槍富士」に投稿された感想・評価

紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2018.11.12 BS

唐突な縦構図による転調、遺されし者の哀しみ
企画協力:伊藤大輔、小津安二郎、清水宏
pier

pierの感想・評価

4.2
内田吐夢監督の復員後第一作。
槍持ちとして主人に仕え、江戸まで旅を続けていた矢先の悲劇。
槍持ちになんかなるなという最後の台詞がいきてくる。
酒癖の悪さが玉に瑕の殿様、島田照夫ではなく片岡栄二郎だろうと思ったら同一人物だった。

このレビューはネタバレを含みます

前半で人情話かと思いきや、後半で一転して凄惨な殺し合いになったので驚きました!

最後の殺陣のヨロヨロとしながらも相手を追いかけ回す千恵蔵の鬼気迫る演技が凄まじく、哀しく恐ろしいです。
観たことある片岡千恵蔵出演作品の中では間違いなくTOP3に入る名作
この湿度こそ日本映画なのだろう。マキノの決闘高田の馬場を感じる。
殿さまと、お供と槍持、三人の江戸までのロードムービー。旅の道中で様々な人に出会い、世の中に疑問を持っていく殿さまの成長振りが頼もしい。しかし彼の酒癖の悪さが悲劇をおこす。梅之介のテレビ版を昔見たんですが、ラストはそっちの方が良かったと思います。
内田吐夢監督の時代劇。
時代劇は、さほど好んで観ないのだが、内田吐夢監督作品であること、企画協力に小津安二郎や溝口健二などが参画しているので観てみた。

人情ものであり、主人思いの男の立ち振る舞いが描かれていた。
ただ、刀で斬られて血も出ずに倒れるだけ、というのは迫力なし。(黒澤明の映画以前だったから已む無しか…)
また、手描きのような富士山の絵?も変であった。

普通の時代劇である。

<映倫No.1412>
みら

みらの感想・評価

5.0
泥棒捕まえるシークエンスがやばい。クローズアップがやばい。ラストカットがやばい。全部やばい。
ryusan

ryusanの感想・評価

4.4
日本の傑作ロードムービー。いい雰囲気で進むので最後は悲しい終わりにしなくても良かったかなと思う。
ひでG

ひでGの感想・評価

3.9
今月の「掘出し物映画」はこれ!
私が生まれる前の作品。

父親のDVDコレクションからランダムにチョイスしたんだけど、実に面白かった。

江戸時代、街道の宿場町での話。

若殿と二人の家来。江戸に藩の仕事で行く。槍持が片岡千恵蔵。おそらく初めて主演作を観るのかな。
人情味があってナイスガイ!

この若殿は酒癖が悪く、二人の付き人は藩から「殿にはお酒を飲ませないように。」と命じられている。

この3人を軸に、旅芸人の母子。
謎の旅人や行商人、
孫を身売りする祖父など、旅の途中で宿場に集まった人々の人生が交錯する。

一つずつのエピソードがラストに向かい、加速度的、有機的に結びつき、しかもとても分かりやすいし、
最後はヒューマン部分をしっかり描いている。

この時代は当然身分制度の時代である。
家来は主人の為に動き、侍の地位は他の職業より高い。

槍持の片岡千恵蔵に旅芸人の子供か憧れを持つのもわかるカリスマ性がある!

反面、貨幣社会が浸透して、それを無視して生きて行くことも困難になっていく。武士と町人の相部屋や酒屋での接触も自然に行われている。
借金の肩代わりに、娘たちは売られていく。貨幣の力にはあがなえない。

そんな二つの社会的側面をバックに、人物たちの絡み合いが意外な方向へ展開していくこの脚本の巧さ!

◯にまるれて死んでいくのは、◯をようやく克服した瞬間だったという皮肉な結果。

男の子に憧れられたことをちょっと嬉しく思っていた槍持は、ラストにはもう存在しない。
オーソドックスだが、主張力を持った、しっかりした時代劇でした。

古き日本映画クリエイターの層の厚さを感じさせられる。
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