血槍富士の作品情報・感想・評価・動画配信

「血槍富士」に投稿された感想・評価

酒癖が悪いものの心優しい武士小十郎の道中記。
あまりにも悲しい皮肉な終わり方。
悪い奴をバッタバッタと切り倒して万事解決という、いわゆる時代劇のフォーマットとは一線を画す作品。
R

Rの感想・評価

2.0
内田吐夢監督の時代劇。

本作は、内田吐夢監督作品であること、企画協力に小津安二郎や溝口健二などが参画しているので観てみた。

人情ものであり、主人思いの男の立ち振る舞いが描かれていた。
ただ、刀で斬られて血も出ずに倒れるだけ、というのは迫力なし。

普通の時代劇である。
2秒前

2秒前の感想・評価

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子供がめちゃくちゃ可愛く撮られてる。
身売りの娘のエピソードも泣けて泣けて。
雨が上ったかと思ったら悲壮になだれ込むラストの大立ち回り。大傑作。
lag

lagの感想・評価

3.8
槍持ちのおじさん。通りに街の道行き。浮浪児や身売り。各々の人間模様。目配せと向かいの窓。雨降る足元。穴の開く酒樽。眺める背中。主君と家来が席を一緒にして何故悪いか。
小十郎(の一行)が観客の視点に近い役割を果たし、同じ旅路を行く人々の人情に触れる中で、「侍の世界」に疑問を持ち、それ故に侍に殺される。権八がその敵討ちをし、捕まるのを覚悟するも「侍の世界」の見栄により無罪放免となり、同時に主人を守り切れなかった自責の念から、孤独に江戸への道を行くことになる、という何とも皮肉めいた世界観を強く感じた。東海道旅行記の要素が占める割合こそ多いものの、タイトルが『血槍富士』であること、そして上記のような展開から考えると、人情味あふれる世界が描きたかったのではなく、むしろ侍の世界や殺生に対するアイロニックな内田吐夢の考えがあったように推察された。劇中歌の『奴さん』も下郎の辛さを象徴しているようであったが、上級の武士への敵討ちがポジティブに描かれていないのもこれを表しているのではないだろうか。
細かいが、いくら酒癖の悪い人物でも名前が酒匂は酷いだろうと笑ってしまった。
Saadiyat

Saadiyatの感想・評価

3.8
江戸へ向かう武士と槍持ちの物語。
街道の賑わい。宿が相部屋になったりお銚子をつけてお膳食べたり、参勤交代ひっきりなしだったり。それだけでも楽しいです。片岡千恵蔵の大立ち回りで最後はガチッと決まります。1955年の傑作時代劇です。
富士山バックに江戸に向かう若主人小十郎とそれに従う槍持ち権八・お供の源太が道中で巡り会う人々との人情道中記。槍持ちになりたいと権八を慕い付いてくる浮浪児や旅芸人母子、身売りされて行く娘と貧しい父親、巡礼老人、大金持ち歩く不審な男やら様々な人物を絡めグランドホテル形式に進めていく。道中に紛れ込んだ大泥棒の正体暴き、30両の金を巡る生きた使い道や最後に侍の狼藉に倒れた主人の仇討ちに立ち向かう槍持ちやらを上手くまとめている。“チャンバラ人情時代劇”→“任侠渡世劇”→“ヤクザ抗争劇”と流れていく東映路線の初期ほのぼの感がいい感じで伝わってくる。大泥棒が旅籠の戸口からくぐり抜け逃げようとした矢先に正に槍先が戸口から入ってくる絶妙な間合いの楽しさ。
ヒチ

ヒチの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

物騒なタイトルの割にほっこり人情劇やんって思ってたら急に物語が暗転する。武士社会に疑問を抱き始めた若様に訪れる余りにもむごい結末。主君の仇討ちをしたところで当然2人は帰ってこないし、どれだけ周りに囃し立てられようが残るのは虚しさだけ。殺陣も鮮やかさは一切なく、泥と酒にまみれながら獣のように殺し合う。

子どもの「武士になりたい」という言葉への序盤と終盤の反応の落差がすべてを物語ってる。『切腹』と同じくメタ時代劇と見るのが一番いいんだろうな。
kakuko

kakukoの感想・評価

4.2
物語が綺麗につながっていくので観てて心地よい。
旅の途中で出会った人たちや、町の人たちとの人情味ある物語に笑いながら楽しんでたんですけどこんな惨劇になるとは。
旦那様ほんとに酒さえ飲まなければ素晴らしい人なのにな。
源太が旦那様に隠れて酒飲んで、ドブの水で口ゆすいで権八に口の匂い嗅がせて「くせぇ」ってしたところ千鳥を感じました、クソウケました。
泥棒の人が周りの人たちからもみくちゃにされて、急にブワッて立ち上がった時には半裸で刃物構えてるとかリンカーン大運動会で出川が囲まれて裸で登場するパターンのやつを感じウケました、この頃からある笑いなのか。
女将さんのケツ叩いて叩き返されるとか細かな愛らしいボケを挟んでくる。
道の真ん中での身分の高い人が野点の風流(お茶会)。
目の不自由なマッサージ師に人探しの声かけて「いけね、こいつに人相聞いてもわかんねえや」と言うかなり尖ったボケ。
何も知らずに槍持って帰ってきたら泥棒捕まえたことになってウケる。
「皆さん、褒美はこれだけだそうです」と言う旦那様の嫌味ウケる。
わしは飲まない、お酌するふりだけするからお前飲めって言った次のシーンではベロベロになっててウケる。
ベロベロの旦那様は抱えて宿まで運ぶけど酔って寝てる源太は子供に腰蹴らせるのウケる。
「くだらない女が手を貸しましょうか」とかいちいち洒落たセリフ言うから笑っちゃう。
印籠は薬入れ。
槍持って回転して槍のキャップを取り、そのまま戦闘に繋げることを学んだ。
侍5人vs権八一見不利だが刀の間合いでは近づけない。
槍のとどめは刺さないといけないっぽいな。刺す武器なのか。
偽物の槍で偽物の手柄を立てて笑い飛ばすとかマジ旦那様ってなった。
お咎めなしでも虚しさだけが残るな。
男の子の泣き声で終わるとか切なすぎる。
papanda

papandaの感想・評価

4.0
若侍と荷物持ちと槍持ちの一行、旅の途中で町民の悲喜交々、中には人買いや泥棒もいるけれど、優しさや飾らぬ美しさに出会う。対して人の迷惑なんか考えもしない大名行列。酒に酔い乱暴狼藉の侍たちに主と同僚を惨殺された権八が侍たちに向かっていくのは、大切な愛する人達を殺された怒りのため。それを侍社会は主人の仇討ち、忠義の誉れと誉めそやす。この映画が作られたのは戦後まだ10年。封建社会や忠義忠誠主義への反省と反発なのだと思う。
ラストの殺陣は、東映のいつもの躍りのようなものではなく、ぬかるみに脚をとられ泥まみれになってくたくたになって、というリアルさ。内田監督の後年の「宮本武蔵 一乗寺の決斗」に繋がる、見ていてとても力の入るシーンだった。
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