ムラカミカイ

おとし穴のムラカミカイのレビュー・感想・評価

おとし穴(1962年製作の映画)
4.0
不条理な状況に置かれた人間の観察


途中、ミステリーっぽくなって
ん、安部公房にしては珍しいこともあるもんだな、と思ったけど
どんどん謎増やしていったあたりから
やっぱり観察しているだけだな、と思い、楽しんで観られた

小説でも映画でも
一貫して何かを1つの結論に落とし込むことはせず、
不条理な環境と状態に人間を放り込んで
どうなるかを観察し(劇中の田中邦衛の立場)、
単にそれを記録して、
詩的に終わらせる。
それが安部公房。
そして、勅使河原監督も毎度その世界観をうまく描き出している。


死体収容人の役でカメオ出演として安部公房出ているけど、
あの土手でのシーンは演出なのか偶然なのか気になった。笑
ムラカミカイ

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