B姐さん

くちづけのB姐さんのレビュー・感想・評価

くちづけ(1957年製作の映画)
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増村保造の監督デビュー作。
家庭の事情が色々ある男女の2日間の物語。
「キスして」「愛して」と、出会ったその日に言うかねえと思いながら観ていたのだが、これが終盤になってくると全然不自然ではなくなる。野添ひとみの演技力ではなく、ドライな演出の力技で引っ張られていくのだ。
出会って、別れ、すれ違って、再会し、一緒に去って行く若者たちから目が離せなくなる。なんてことない恋愛話なのに。

いつも優しいおばあちゃん役しか観てなかったので、若い時の三益愛子を初めて見た。旦那と別れ、すこし意地が悪い母親だが、最後がかっこいい。
小津の『浮草』や他の増村作品を観ていなかったので、「探険」していない川口浩をみたのは初めて。演技達者ではないがすごく好感が持てる。
そして「くちづけ」のシーンは装置から色々と凝ってる。

携帯電話があったら成立しない、ラブストーリーのみずみずしさが堪能できます。

DVD(10/16/2014)
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