溌狩

プレイタイムの溌狩のレビュー・感想・評価

プレイタイム(1967年製作の映画)
4.0
・面接のためパリにやって来たユロ氏。面接担当者とすれ違い、アメリカから旅行にやってきた女性とすれ違い……。大都会のビル群や忙しなく働く人々に翻弄されながら朝も昼も夜も越えて彷徨い歩き……というおはなし。

・瞬間瞬間のミニマルな笑いと洗練され尽くしたセットや衣装、構図……洒脱!!! 洒脱!洒脱!洒脱!エスプリでござい。エッフェル塔や凱旋門がガラス窓に反射して登場するシーンなんかは小洒落すぎている。あまりのオシャレさに序盤は「あ、雰囲気を楽しむ系の映画ね」と思っていたのだけど、夜が更けるにつれてどんどん笑いのギアが上がり、同時多発的に画面のいろんなところでヘンなことが起こり始めてコメディ映画として単純に面白かった。粉々になったガラスのドアの取っ手だけを持ち、パントマイムでエアードアをやってやり過ごすくだりなんかは声を出して笑った。

・モダンで機械的な街やビルと、そこで起きる騒動には現代文明に対する批判的な意味合いも含まれているそうなのだけど、あまりにも偏執的で、スタイリッシュで美しいから却って魅力的に映ってしまう。ロケに使われた場所に行ってみたいなぁと思っていたら、街並みは全部セットらしいから驚いた。オフィスやレストランがセットなのはわかるけど、まさか外の風景までセットとは思わなかった。異常だ。
溌狩

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