電気羊

血まみれギャングママの電気羊のレビュー・感想・評価

血まみれギャングママ(1970年製作の映画)
3.4
題名だけ聞くとB級ホラーぽいが、実話をもとにしたクライムムービー。

1920年代の銀行強盗や人質事件は結構雑でも成立していたんだな。
ギャング団の女ボスは、少女の頃に父親や兄弟に性処理の道具にされていたが成長し、自分の言うことを奴隷のようにきく息子たちを生むことを願ったママ。

その甲斐あってか4人の男児を産み、自分だけの幸福を望み殺人さえなんとも思わない犯罪に手を染めて大金を手にしていく。
息子たちを自分の性処理の道具にしていたママだったが、ある日、資産家の中年男性を誘拐し身代金を要求する人質事件を起こす。

その資産家の男性は、ギャング団の人質として命を脅かされながらも、幼い頃から母親の言いなりに育ち父親をろくにしらない4人のギャング達に対して、心の広さと悠揚迫らざる態度で接し、父親のような敬愛の情を抱かせる。

ママは身代金を手にした後、人質の資産家を殺すように息子たちに命じるが、息子たちはこっそり逃がしてしまう。
その頃から、母親の言いなりになってきた息子たちは母親への反旗を翻し、自らの意思を示すようになるのだが。
時すでに遅し。様々な犯罪の容疑者としてアジトを警察に取り囲まれたギャング団は、警察との打ち合いの末に全員死亡するのであった。

悪党に相応しい結末で良かったが、笑ったのは警察とギャング団の銃撃戦を、近所の農民が庭でレジャーシートを広げてサンドイッチを食べながらのどかに見物しているシーンだった。
電気羊

電気羊