2010年、ラドゥー・ムンテアン監督・脚本によるルーマニアのロマンス・ドラマ。
動画配信サイトGYAO!さまで「まもなく配信終了」となっておりましたので一応チェック。
日頃、ルーマニアの映画を観る機会はほとんどありませんので視聴いたしました。もちろん『不倫期限』という邦題にも少々惹かれるところはございましたが。
まさに「不倫」という恋愛の一形態を、淡々と滔々と描いた作品。冒頭、8分ほどのワンカットから意表を突かれ、惹き込まれました。
腰の辺りに彫られた｢夜｣という刺青がもう記号論的にどうなのよと。ロラン・バルト先生のご出身おフランスの国旗と本作製作国ルーマニアの国旗って、トリコロールの真ん中だけ色が違うのですね。
それはさておき本作は、妻子ある男性と若い女性との「不倫」について、無意味な誇張やごてごてした装飾を一切省略した「天然」の筋書き。
最後も辻褄を合わせるような展開はなく、余計な身振りは一切度外視して、投げっ放しジャーマンのように垂直落下の締め括り。
映画作品に「劇的展開」をご期待される方々には全く受けないだろうと思われますが、簡潔な作風には共感を覚えました。
