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黒蜥蜴のchiyoのレビュー・感想・評価

黒蜥蜴(1968年製作の映画)
3.5
2015/2/8
江戸川乱歩の小説を三島由紀夫が戯曲化し、丸山明宏(三輪明宏)主演で映画化。内容は京マチ子版とほぼ同じだけれど、黒蜥蜴の妖艶さは丸山明宏に軍配。特に、あのマダム然とした佇まいと喋り方、急にテンションが上がる高笑いが印象的。そして、大阪のホテルから脱出する際の男装(と言っても元々男性だけれど)がすこぶる魅力的。その反面、ストーリーは京マチ子版と比べると端折った感が否めず、ちょっぴり駆け足気味な上に黒蜥蜴の計画も雑になった気が。何よりも、あのデカイ木箱を新幹線に載せるのが、あまりに不自然すぎて吹き出しそうになった。また、早苗と松吉の本物と偽者が対面するシーンが印象深かったのに、それが丸山明宏版では無くなってしまったのが残念。それでも、全体的に悪魔的な魅力はたっぷり。ちなみに、三島由紀夫が剥製人間として出演、黒蜥蜴とのキスシーンも(笑)。
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