クライムものが多いフィンチャー映画の中で異色だと思う。
エッジの効いた冷たさ、不気味さであったり、破壊や死といった不適切なものすらをカッコよく魅せてしまうフィンチャーらしくはないハートフルな物語。
ハリケーンカトリーナやアメリカ南部の差別だとか、オスカー好みな描写が見られる。当時のフィンチャーやその界隈の方々はオスカーを狙っていたのかもしれないが、そういったシーンがやや直球的でフィンチャーらしくなく、少し目に余った。
技術的なものでは10年前にしてはすごくよくできたものであるが、老人時代の口の動きはCGっぽい。
ブラッドピットの若返りのスピードが掴みにくく、今何歳なのか、考え込むことはしばしばあった。