「日本沈没」の森谷司郎1977年監督作品。「続人間革命」の橋本忍脚本。新田次郎『八甲田山死の彷徨』原作。島田正吾、大滝秀治、高倉健、北大路欣也、三國蓮太郎主演映画。
日清戦争終了から6年を経て、ロシアの満州への進出で日露関係が緊迫、日露開戦は不可避と見られていた。第八師団では対露戦の準備として寒地装備と寒地訓練の不足であった。日本軍は零下40度の雪原でも闘った経験が無いので、極寒対策や雪中行軍の注意点及び装備品の研究を行うために厳冬期の八甲田山を行軍して調査を実施。加えて陸奥湾と津軽海峡がロシア軍により封鎖・占拠され、青森と八戸・弘前を結ぶ沿岸交通路が艦砲射撃被害などで万一断たれた場合は内陸の八甲田山系がそれらを結ぶ唯一の経路となるが、当時は「積雪量の多い八甲田が冬期間物資輸送経路にできるか否か未知数」だったため、「八甲田が冬でも物資輸送経路として使えるか否かを試す」意味もあった。
