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八甲田山のPOPCORNのレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
4.2
1902年末、日本はロシアとの戦争は避けられないと考え、青森を占拠され、山中でロシア軍と戦うことを想定した雪中行軍を敢行することとなった。
まず、雪とは何か?寒さとは何か?といった寒冷地教育の不足を当時の陸軍は嘆いていたため、青森県と岩手県の県境に位置する八甲田での行軍が必要不可欠と考え、その任務を高倉健演じる徳島大尉率いる弘前第三十一連隊と北大路欣也演じる神田大尉率いる青森第五連隊が担うこととなった。
高倉健の連隊は地元の案内を付け、自然に逆らうことなく無理をしない進軍を選んだため、少数連隊で挑むが、一方北大路欣也の連隊は上官のエゴもあり大連隊を率いて八甲田に挑むこととなるのだが…。

ナイロンやダウン、ましてやゴアテックスなどの素材もなかった時代ですし、今ならGPSとかがあるんでしょうし、この時代は地図とコンパスだけで零下30℃に近い極寒に挑んだが故に、とんでもないことが其処彼処で起こってきます。
汗をかいてそれが瞬時に凍りそれがもとで錯乱して服を脱ぎ凍死したり、凍傷で動かなくなって手が使えずオシッコを漏らして凍死したり…。

特筆すべきのひとつとして豪華キャスト(高倉健、北大路欣也、三國連太郎、大滝秀治、藤岡琢也、小林桂樹、丹波哲郎、緒形拳、加山雄三加賀まりこ、秋吉久美子など)の共演も見ものですが、劇中ほぼ吹雪で時間の経過と共に皆が窶れて行くのが目に見え、撮影隊のご苦労に本当に脱帽モノです。

この八甲田山での陸軍が起こしたり事件は事実に基づいたお話ですし、本当に現代は豊かだし、我々達の先人が残してくれたことの偉大さは今を生きる私たちが日々感じなければいけないなと再確認させられます。

ロケは3年にも渡り敢行され、屋外のシーンは本当に八甲田での撮影のようです。
北大路欣也の「天は我々を見放した」は日本映画史に残る有名な台詞。

2015.1.17
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