加藤久和

八甲田山の加藤久和のレビュー・感想・評価

八甲田山(1977年製作の映画)
4.0
新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』がベースとなっているが、その後新たな研究成果もあり必ずしも史実そのものとは言えないようだが、やはり組織悪が根本原因となって青森歩兵第五連隊はほぼ全滅、199名の命が失われてしまったことは間違いないようだ。組織のお偉方の功名心やらメンツやら大人の事情やらが折り重なったあげく、下々の者がいらぬ犠牲を強いられるという毎度おなじみの構図は日本社会に間断なく続く伝統芸と言えるのかもしれない。日本人は「俺はもう自分の思い通りに歩く」と言い残して独り隊を離れて生き残った村山伍長の行動に学ぶべきなのかもしれない。
加藤久和

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