D子

愛と追憶の日々のD子のレビュー・感想・評価

愛と追憶の日々(1983年製作の映画)
3.0
母と娘として、女同士として、1人の女として、全ての視線で描き切っていた。

出演者全員の名演技があってこその作品。

誰1人として感情移入できないが、「人生」ことをリアルに切り取っていてオエエ〜〜ってなった。

ジャックニコルソン良かったな〜〜。あいつもあいつで宇宙飛行士としても名誉と老い、女好き、ダメ人間とか抱えながらオーロラと出会って、最後はお前か‥お前がなんとかしてくれんのか〜〜と希望を抱かせてくれた。

何より長男くんが可哀想だった。小さい頃は癇癪持ちで考えもせず子供を作り働かないくせにお金がないとキレるおかんに振り回され、夫婦喧嘩をしょっちゅう聞き、おかんの不倫も気づいてただだろうに……死んでもなお誰も吐き出さず………。
ジャックニコルソンがなんとかしてくれますように。

この母と娘は正直、ちょっとヤバイ系の人たちだとは思う。オーロラも旦那さんいる時からおかしかったじゃん。1分に一回くらい赤ちゃんの様子見に行って。最後も娘死ぬ前ナースステーションで怒鳴りし散らすし。
娘ちゃんも人の話聞かないで癇癪を持ち自分の浮気はずっと隠し通し……。

ただ、このエゴに満ちた人間をリアルに描いており、また役者いいから見られてしまうんだよなあ。

ニューヨークに行った件もキツかったなあ。

書き出すと結構な濃度の出来事が起きていく中でそれを淡々と追う演出に、彼らの人生を覗きながらも自分に投影しつつ、唸り‥と映画にのめり込ませてくれた。

名優たちの演技が輝きまくる良作だったけど疲れちゃうのでもっかい見るのは気合いがいる。
D子

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