おちゃ

裸体のおちゃのレビュー・感想・評価

裸体(1962年製作の映画)
4.3
タイトル「裸体」なのに、主人公が裸体になることはない。でも花や爪をなめたり、喫煙のシーンが異様に長く、口元にフィーチャーするシーンでエロスをアピールしてくる。それが逆にエロい。
これくらい前の映画はいつも疲れてしまうけど全く疲れず終始興奮状態。女性は男性の言いなりになって猫のように暮らす人がほとんどの時代で、頭が悪くても何を武器にできるか企み自分の身体を使ってカネを得て上り詰めていく。カネを持った瞬間周りの人も面白いほど態度が変わるし、立場を利用して言い寄ってきていた不動産屋をいともかんたんに切り捨てたり自分の生き方の選択肢が確実に増える。ストリッパーのマリーエンジェルの歌詞でも男を生殺しってあったけど、本当にその通りで、お金を稼いで女を養ってるつもりの男たちが実は女にコントロールされている様子は非常に滑稽。
60年も前の映画なのに、女も男も本質は変わらない。そして今も昔も変わらず、男性に迎合しない生き方を手に入れていく様は、方法がどんなものであろうとシンプルにかっこいい。
最後の化粧を直すシーンが脳裏に刻まれて離れない。でも、あの誘い方は今の時代なら受け入れられるのだろうか。
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